連載 婦人科腫瘍切除標本の取り扱い方・9
絨毛性疾患切除標本の取り扱い方
吉永 浩介
1
,
森谷 卓也
2
,
今野 良
3
1東北大学医学部産婦人科
2東北大学医学部病理部
3山形県立中央病院産婦人科
pp.1267-1273
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904483
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はじめに
現在の「絨毛性疾患取扱い規約」(1995年改訂第2版)により胞状奇胎,絨毛癌,PSTT(placental site trophoblastic tumor),ならびに存続絨毛症を総称して絨毛性疾患と呼称している.絨毛性疾患の分類として1)臨床的分類と2)病理学的分類を設けている(表1).臨床的分類は絨毛性疾患の登録ならびに臨床的取り扱いのために用い,病理学的分類は病理診断や病理項目の記載を簡便にするために設けたとされている.規約に記された「絨毛性疾患の定義及び診断基準」では肉眼所見,組織学的所見,絨毛癌診断スコアを用いた総合診断を前提としている.本稿では「絨毛性疾患の分類」における1)臨床的分類における肉眼的および組織学的観察のポイントを「病理組織検体取り扱い」に則り,各々の疾患において診断に不可欠な肉眼観察と組織学的観察における注意すべき絨毛性疾患切除標本の取り扱いについて述べる.
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