今月の臨床 周産期救急と周産母子センター
周産期救急と母体搬送
5.胎児仮死とIUGR
鮫島 浩
1
,
岡田 俊則
1
1宮崎医科大学産婦人科,周産母子センター
pp.1221-1223
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904470
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
胎児適応で母体搬送を行う症例の中でIUGRと「胎児仮死」は特に重要な位置を占めている,しかし両者とも原因が複雑で多岐にわたり,程度も軽症から重症までさまざまであり,母体搬送をする際の単純明快なガイドラインを示し難い.その上,搬送先の病院と搬送元の病院との関係(距離,日頃の連携体制など),それぞれの病院の施設(NICUの能力,麻酔科の有無や手術室の状況,マンパワーなど)によって搬送の基準も異なる.したがって基本的にはそれぞれの症例を個別化し,その地域の周産期専門医とディスカッションを行ったうえで母体搬送の基準を決定することが大切である.ここではこのような複雑な問題をかなり単純化して母体搬送のタイミングと事前処置に関して概説する.この方針を参考に,個々の施設を取り巻くさまざまな条件を考慮し,搬送先の病院と一緒に母体搬送の基準を作成することが大切である.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.