今月の臨床 ライフスタイルの変化と女性の健康
ライフスタイルの変化とホルモン依存性疾患
1.月経異常
大場 隆
1
,
田中 信幸
1
,
岡村 均
1
1熊本大学医学部産科婦人科学教室
pp.1102-1105
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904443
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
月経異常に対する認識の変化
ライフスタイルの変化に伴う月経異常について論ずる前に,月経異常に対する認識の変化について触れる必要があるだろう.
月経について語ることは長らくタブー視されており,医学的な関心が向けられるようになったのは19世紀になってからであった1,2).月経周期には個人差があり,さらに同一個人でも周期にばらつきがあることをAreyが“発見”したのは,1939年のことである3).以来,多くの報告が月経周期にはかなりの幅があることを支持している.同一婦人であっても,毎月の月経周期には1,2日の変動がみられるのが普通で,標準偏差の平均は2.5日であった4).月経を有する女性の約30%は,過去に2週間以上の月経周期のばらつきを経験したことがあり,さらに,月経周期がもっとも安定した時期である性成熟期の女性においても,その70%以上は毎年少なくとも1回以上の異常な月経周期を経験している5,6).
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.