連載 婦人科腫瘍切除標本の取り扱い方・5
子宮体癌切除標本の取り扱い方
上坊 敏子
1
,
新井 正秀
1
,
蔵本 博行
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.831-835
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904386
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はじめに
悪性腫瘍の進行期分類は治療法の決定や予後の推定あるいは治療成績の評価などに際し,最も基本となるものである.子宮体癌の進行期分類として日本産科婦人科学会ではFIGOによる分類(表1)とUICCのpTNM分類とを採用している.
子宮体癌の進行期は,従来子宮頸癌と同様に,治療開始前に決定する臨床進行期が用いられてきた.FIGOでは1988年以来手術進行期分類が用いられるようになり,本邦でも1995年症例からは手術例に関しては手術進行期分類(表1)に基づいて分類されることになった1).子宮体癌では手術による治療が第一選択とされることが多く,手術進行期は予後との相関が良好で術後治療の個別化に役立っ2)ことなどから,術後分類の有用性が評価されている.
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