今月の臨床 Obstetrics is a bloody business
分娩時出血の診断・治療のポイント
1.常位胎盤早期剥離
大橋 涼太
1
,
金山 尚裕
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.688-691
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904354
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はじめに
常位胎盤早期剥離(以下,早剥)は突然に発症し,急激に進行する母児共に生命の危険を及ぼす緊急疾患である.
早剥は周産期に大出血を来す疾患の中でもDICを発症する頻度が極めて高くまた重症化しやすいので,できる限り早期に診断し,対策を講じる必要がある.早剥とは一般に妊娠20週以降に,正常位置に付着する胎盤の一部が胎児娩出前に剥離しその部位に出血が起こる状態をいう.発症頻度は文献により異なるが全妊婦の0.5〜1.3%といわれる1).しかし軽症で無症状のものは診断されない可能性がある.
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