今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
乳癌検診の実際
3.産婦人科医に対する研修システムのあり方・現状と問題点
土橋 一慶
1,2
1千川産婦人科医院
2日本母性保護産婦人科医会がん対策部
pp.514-516
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904320
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産婦人科医を対象とした教育システムの必要性
日本における乳癌の推定罹患率は胃癌を抜き急速に増加し,年間新患者数も3万人を超すに至ったと推測されている.その結果,乳癌は稀な疾患でなくなり,あらゆる局面で遭遇する可能性のある普通の疾患(a common disease)の一つとなった.したがって,乳癌検診の場のみならず産科から婦人科領域にいたる日常産婦人科診療で,乳癌を含めた乳房疾患に遭遇する機会は今まで以上に著しく増加するものと思われる.
一方,診断から治療における乳癌診療の場においても,1)乳癌検診におけるマンモグラフィの導入,2)鑑別診断として重要な乳腺症や線維腺腫などの代表的良性疾患における概念上の変化,3)微細病変の診断における新しい手技の開発,さらには治療の場では,4)乳房温存手術の導入のみならずリンパ節郭清に関するセンチネルリンパ節生検の試み,5)術後維持化学療法,内分泌療法の再評価など,日々変化している.
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