今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
乳癌検診の実際
2.フォローアップ症例に対する説明と取り扱い
森本 忠興
1
1徳島大学医療技術短期大学部
pp.508-513
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904319
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はじめに
平成10年3月に発表された厚生省のがん検診の有効性評価に関する研究班報告書では,内外の乳がん検診に関する文献レビューの結果,「視・触診による乳がん検診は生存率の比較による研究において無症状の場合は死亡リスク低減効果が認められるが,有効性を示す根拠は必ずしも十分でない.マンモグラフィによる検診には,有効性を示す確かな証拠がかなりあることから,マンモグラフィの導入に関して,早急な対応が求められる」との勧告であった1).さらに,平成12年3月31日付けで厚生省から「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(老健第65号)が出され,乳がん検診にマンモグラフィ併用検診の導入が勧告された2).
本稿では,今回の厚生省指針の骨子,判定基準と指導区分,乳房自己検診の有用性,徳島県のマンモグラフィ併用検診(モデル事業)の結果,さらには検診受診対象者,「精検不要」と区分された者,フォローアップ症例などに対する説明・取り扱いなどを中心に,これから検診を行う上での注意点を述べる.
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