今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
治療の現状
1.非浸潤性乳管癌の取り扱い
石田 孝宣
1
,
森谷 卓也
2
,
大内 憲明
1
1東北大学医学部腫瘍外科
2東北大学医学部附属病院病理部
pp.518-523
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904321
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はじめに
乳房温存療法が乳癌の治療法の選択肢として広く受け入れられるようになり,患者のquality of life(QOL)も治療選択の大きな要因として注目されている.乳癌において,非浸潤癌は遠隔転移をすることのない予後良好な病態であるが,乳房内に広範な拡がりを認めることが少なくなく全摘を余儀なくされる場合もあり,われわれ外科医にとってはoversurgeryの危惧とのジレンマに悩まされるところである.
マンモグラフィを導入した検診システムが普及するにつれて非浸潤癌を含めた早期乳癌の発見比率は上昇することが予想され,その取り扱いには慎重な対応が要求される.ここでは,非浸潤癌について基礎的なその病態と画像所見や病理診断をふまえて,根治性と美容を含めてQOLのバランスを考慮した治療法について当科の方針を若干の文献的考察を加えて述べる.
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