特集 環境保全の地域政策
環境教育の現状とそのあり方
沼倉 守
1
Mamoru NUMAKURA
1
1岩手県・盛岡中央高等学校
pp.249-252
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900781
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◆はじめに
1992年5月,UNEP(国連環境計画)は国際連合人間環境会議開催20周年に当たって,「世界環境報告1972-92」を発表した.
報告を発表したトルバ事務局長は,「この20年間にすべての環境分野で状況が悪化した.地球サミットは,単なる文書作りではなく,先進国と発展途上国が一致して環境保全の行動を起こすこと,(中略)現在ほど環境が脅威にさらされたことは地球上かつてない.生態系の破壊が進み,栄養不良が増加,貧富の差は拡大し,環境管理の失敗から子供たちが最大の犠牲者となっている」と述べている.
1972年,ストックホルムで開催された国際連合人間環境会議は「人間環境宣言」を発表し,“Only One Earth”(かけがえのない地球),“宇宙船地球号”などの名句で,地球環境の保全と保護を呼びかけてから,世界各国の人々の,環境問題についての意識と関心は非常に高まってきた.しかし,それにもかかわらず,地球環境の悪化は加速的に進行し,危機的状況になっているのが実態である.環境問題は今日,先進国でも途上国でも,北半球でも南半球でも,地球上いたる所で起こっている問題であり,人類全体にとっての危機的問題である.
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