特集 変貌する農村社会と農民の健康
農村医療の現状とあり方
野村 茂
1
1熊本大学医学部
pp.17-22
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204200
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1.はじめに
昨冬,昭和42年12月初旬に,南九州の一角でおこった事件がある。鹿児島県阿久根のある開業医が,虫垂炎で入院治療し全快した1人の少女を,自家用(往診用)モーターボートで対岸の獅子島にある親元まで送りとどけての帰途,突風のために遭難し,同乗の実姉(看護助手)と共に死亡した事件である。
この医師は若い教師として辺地に勤務し,医療の不足を痛感し晩学ながら医学を学んで農漁村の医療に挺身してきた人であるという。
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