講座
ソ連の産婦人科の現状
中島 精
1
1慶応大学
pp.26-29
発行日 1956年11月1日
Published Date 1956/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201151
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ソ連保健省保健課長兼モスクワ大第二医科大学産婦人科教授エルマコフ氏が日本に来られ,関西地方を見学して東京に来られて日本の産婦人科医と懇談せられたいとの希望を藤間身加栄博士を通じて申し出でられたので,東京地方部会の評議員及び名誉会員に集つて頂き8月21日慶大医学部北里講堂において懇談した.その際の同教授の話を主とするものであるが,エルマコフ教授が午前中慶大医学部を視察せられた時にも,われわれは種々と懇談したことがあるので,その一部も合せて記すことにする.別記のような項目について我々に質問せられまたわれわれからも,聞いたり答えたりしたのである.同教授は大学の教授であるが,37才の若さであつて研究よりも,保健所の人事その他を行つているので,全国的の第1線の活躍しておる保健婦というか,助産婦というか明かでないが,それから産婦人科医に至る迄の業務を観ておるらしい.
従つてわれわれに質問せられている事も組織に関するのが主であつた.即ち母子衛生に対しては部落単位に相談所があり,工場にもあるらしい.そこで無料の健康診断を受け治療出来る.それは産婦人科専門医が行うように思われたのであるが,後の話を綜合すると助産婦兼保健婦の如き特別な産婦人科の学校を出たもので,多少の医療も出来る.従つて10-12-3位の産院になつておつてそこで分娩させる.また自宅に行つてお産することもある.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.