今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
超音波検査
3.カラードップラー法による乳腺腫瘍の良悪性の鑑別—乳癌を中心に
土橋 一慶
1
,
森田 哲夫
2
,
大川 欣栄
2
1千川産婦人科医院
2大川産婦人科医院
pp.450-453
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904310
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はじめに
乳癌による腫瘤性病変の早期発見には,視・触診法よりも超音波検査法やマンモグラフィが有用であることは明らかである1).しかし,乳癌を含めた乳腺腫瘍および非腫瘍性疾患の組織学的特徴から,典型例を除いては,画像診断による辺縁を中心とした形態像,腫瘤内容物の性状だけでは良・悪性の鑑別は必ずしも十分ではないと思われる(表1)1,2).事実,乳腺の組織学的所見と画像診断との関連性を,秋山は画像所見を中心に図1のように分類している2).図1からも明らかなように,多面性を有する悪性腫瘍の画像診断をより的確に鑑別を行うためにはさらなる手法が必要と思われる.
近年,非観血的診断法の精度を高めるために超音波カラードップラー法による腫瘤内血流変化の有用性が検討されている3).そこで,本稿では乳房腫瘤内血流変化を観察することが,どのような臨床的位置付けにあるかを,自験例乳癌を用いて解説する.
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