今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
超音波検査
2.異常所見の見つけ方と良悪性の鑑別および有用性—マンモグラフィと比較して
植野 映
1
1筑波大学臨床医学系外科
pp.444-449
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904309
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はじめに
超音波は,マンモグラフィと比較すると石灰化巣を検出するにはそのコントラストが低いが,描出されている確率はマンモグラフィよりも高い.一方,浸潤性乳癌に関してはマンモグラフィよりさらに明瞭に描出され,検出能力ははるかに高い.その傾向は特に閉経前の女性に顕著である.したがって,マンモグラフィによる検診は,高齢者の進行していない乳癌,あるいは放置してもよい乳癌を検出する傾向にある.それに対して,超音波による検診は閉経前の無症状で進行している乳癌を発見する方法と位置付けられる.
乳癌検診は症状のない受診者を対象とするため,悪性所見がほとんど認められない乳房のなかから超音波で癌を検出するには相当な集中力とその持続力が要求される.そのためには,効率のよい検査手技を会得しなければならないであろう.また,絶えず,今日こそは癌を発見すると意気込みを持つ必要がある.万遍だらりと検査を行っては発見できない.
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