今月の臨床 妊娠中毒症—新しい視点から
管理と治療
6.ターミネーションのタイミング
松尾 博哉
1
1神戸大学医学部産婦人科学教室
pp.166-169
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904255
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はじめに
妊娠中毒症は,母児双方の生命予後に重大な影響をもたらす産科合併症として産科管理上最も重要な疾患である.
しかるに妊娠中毒症の病因,病態は特定できず不明であり,その根本的な治療法は未だ確立されておらず,管理の要諦は対症療法と時宜を得た妊娠の終結とに集約されるのが実状である.したがって,母体に対症療法を行いながら児の発育,成熟を待ち,母体諸臓器に不可逆的変化が起こると判断された場合,あるいは子宮内環境が悪化し胎児に危険が迫っていると判断された場合には,妊娠を中断して速やかに児を娩出させるのが肝要である.
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