今月の臨床 良性卵巣腫瘍—治療方針
治療方針の決め方
12.手術に踏み切るタイミング
紀川 純三
1
Junzo Kigawa
1
1島取大学医学部産科婦人科学教室
pp.272-273
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901206
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卵巣に発生する腫瘤には,非新生物である貯留嚢胞などの非増殖性嚢胞と新生物である卵巣腫瘍があり,その種類も多い。また,卵巣は腹腔内臓器であり,卵巣腫瘤の確定診断は開腹によりはじめて可能となる。そのため,卵巣腫瘤の術前診断は困難であり,実地臨床では手術療法の選択に苦慮する症例にしばしば遭遇する。近年,経腟超音波断層法などの画像診断法の進歩に伴い,小さな卵巣腫瘤の発見頻度が増加しており,開腹の適否に苦慮する症例も増加することが予測される。
本稿では卵巣腫瘤,とくに良性卵巣腫瘍の手術に踏み切るタイミングについて概説する。
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