Japanese
English
総説
外傷性脳血管攣縮
Traumatic cerebral vasospasm
種子田 護
1
Mamoru TANEDA
1
1近畿大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kinki University School of Medicine
キーワード:
head injury
,
cerebral vasospasm
,
cerebral ischemia
,
arterial narrowing
Keyword:
head injury
,
cerebral vasospasm
,
cerebral ischemia
,
arterial narrowing
pp.785-793
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901264
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I.はじめに
頭部外傷後に脳血管撮影を行うと,しばしば血管攣縮が発生していることを発見する.この現象は古くからよく知られており,血管撮影で脳血管攣縮を確認した臨床例の報告があい続いたのは1960年代に溯る8,17,35,72).それ以前にも,動物実験では機械的刺激で脳動脈がその大小に関わらず攣縮をおこすことが知られており,手術中に脳血管を触れることによってその部位が収縮する現象も報告されている9,11,16,24,51).
このように,外傷性脳血管攣縮の存在は周知の事実であるが,その臨床的意義については不明なところが多い.脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に起因する脳血管攣縮が臨床経過に著しい悪影響をもたらすことが明かであるのとは対照的である.
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