今月の臨床 ART最新情報—妊娠率向上のために
卵巣刺激・受精
5.未熟卵の体外成熟法
森本 義晴
1
1IVF大阪クリニック
pp.1380-1383
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904202
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未熟卵の種類とその培養の試み
胎生期に原始生殖細胞は卵原細胞となり,周囲の卵胞細胞とともに卵胞を形成する.卵巣の中に数多く存在する原始卵胞primordial follicleは一次卵胞から二次卵胞へと成熟し,やがて卵胞腔をもつ三次卵胞を経て成熟卵胞へと成長する.現在まで,動物においてこの一部の過程の培養が試みられ,成功例も散見される.例えばEppigら1)は,マウスの胎児卵巣を器官培養と卵胞培養の2段階で培養し,2匹のメスの産仔を得るのに成功している.しかし,ヒトにおける原始卵胞からの体外培養in vitro maturation(IVM)の研究はまだ少ない.われわれはこの長く困難な培養系のうち,前半の一部である卵巣組織の器官培養と後半の未熟卵子から妊娠までの過程について研究した.
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