指標
異常卵の発生機序—Ⅱ.卵の成熟過程とその異常
佐藤 孝道
1
,
加賀山 哲夫
1
,
五味渕 秀人
1
,
香山 文美
1
,
森田 良子
1
,
水野 正彦
1
,
坂元 正一
1
Kodo Sato
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.837-848
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206905
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異常卵は,卵子や精子が形成される途中の減数分裂や受精周辺期のerrorによって発生する。同時に淘汰の失敗という見方をする必要があることは前号で触れた。たとえば,受精直後に存在する異常卵は,減数分裂や受精過程のerrorによって生じたと考えることができるが,同時に本来なら閉鎖卵胞として,あるいは受精不能卵として淘汰されるべき卵が,淘汰の失敗によって排卵,受精に至ったと考えることも可能なのである。
本章では,異常卵の発生機序を,卵成熟の過程で起こり得るerrorと淘汰の失敗という視点から検討する。同時に,卵成熟の異常を理解する上で必要な生理的な卵の成熟過程についても言及する。
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