原著
多嚢胞性卵巣症候群に対する柴苓湯の有用性に関する検討—特に排卵誘発について
酒井 淳
1
,
近藤 善二郎
1
,
亀井 一彦
1
,
角 毅一郎
1
,
和泉 俊一郎
2
1日本鋼管病院産婦人科
2東海大学医学部産婦人科
pp.1330-1333
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904194
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月経異常を主訴として来院する患者の中に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症例をしばしば経験することがある.無排卵に対する薬物治療としてはクロミフェンやゴナドトロピン療法などが行われているが,効果が不十分であったり副作用が問題になることも多い.今回われわれはステロイド様作用を有するといわれる漢方薬「柴苓湯」を用いて排卵誘発を試みた.その結果,排卵率は57%であり,LHやLH/FSHも有意に減少した.PCOSの無排卵に対する治療薬の選択肢のひとつとして柴苓湯は有効であると思われる.
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