臨床経験
腹腔鏡における第1トロッカーのDirect挿入法の施行経験と安全性に関する文献的考察
高橋 敬一
1
,
佐藤 孝道
2
1高橋ウイメンズクリニック
2虎の門病院産婦人科
pp.1336-1340
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904195
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腹腔鏡で3〜5mm径の細径スコープを使用する場合,第1トロッカー挿入時には通常Veress気腹針を用いたClosed法が用いられるが,ガス塞栓,皮下気腫,筋膜下気腫などの問題がある.今回,気腹前に腹腔内を観察できる方法である.第1トロッカーのDirect挿入法を50症例に行った.その結果,Direct挿入法は大きな合併症もなく施行でき,文献的にもDirect挿入法はVeress気腹針を使用するより安全であると考えられた.Direct法施行時は,①腹壁の挙上はガーゼかスポンジを利用する,②第1トロッカーの活栓は開放して挿入する,③トロッカー挿入後,大網がスコープを覆うときにはスコープをトロッカー先端まで引き込み,観察しながら両者を同時に引いてくる,などに注意して行うとより安全に行えるものと考えられた.
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