今月の臨床 避妊法—問題点とその対策
避妊法の問題点と対策
1.ピル 2)血栓症
小林 隆夫
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.904-907
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904083
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
平成11年9月2日,わが国においても低用量ピルが正式に経口避妊薬(oral contraceptives:以下,OC)として認可された.OCは合成エストロゲンと合成プロゲストゲーンの合剤で,エストロゲン量が30〜35μg,プロゲストゲーンではその成分にもよるが1.0mg以下を含有する製剤が主流である.これに伴い,従来疾病である卵巣機能不全などに対し投与されていた同種薬剤が純粋に疾病状態でない健常人に対する避妊薬として投与されるわけである.健常人に薬剤を投与する場合,副作用はあってはならないか,あっても最小限でなければならない.OCの重大な副作用のひとつに血栓症発生が挙げられる.本稿では,ピルと血栓症について最近の知見をまとめた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.