今月の臨床 避妊法—問題点とその対策
避妊法の問題点と対策
1.ピル 1)不正出血・その他のマイナートラブル
綾部 琢哉
1
,
森 宏之
1
1帝京大学医学部産婦人科
pp.900-903
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904082
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はじめに
経口避妊薬(oral contraceptives:OC)には避妊効果の他にも服用することによるメリットがあり,これをOCの副効用とよんでいる.また,OC服用によるデメリットの中で,血栓症・脳血管障害・心血管障害・癌などは生命に危険が及び得るため,重篤な副作用とされているが,発生頻度は低い1).一方,生命に対する直接的な脅威とはならないが,軽微ながら利用者に不快感を与え得る副作用が存在し,これらをマイナートラブルと呼んでいる.主なマイナートラブルを表1にまとめた.しかしこの呼称はあくまでも慣習上のものであり,重篤な副作用に比べて発生頻度は高く2)(表2),服用者にとってはマイナーとは感じられない場合もある,実際このマイナートラブルのためにOC服用を中止する例も少なくない.また,服用者にとってはその副作用が重篤な疾患につながり得るものなのかマイナートラブルと考えて経過をみてよいのか,区別がつきにくい場合もある.本稿では,Managing Contraceptive Pill Patients第8版を日本母性保護産婦人科医会が監訳した冊子「経口避妊薬服用女性の管理」を参考にしながら,OCのいわゆるマイナートラブルについて考えてみたい.
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