症例
平滑筋肉腫と管状腺癌が混在した子宮癌肉腫の1例
小原 範之
1
,
寺本 憲司
1
,
新谷 潔
1
,
塚本 澄子
2
,
鷹井 敏子
2
,
近藤 さおり
2
,
三村 恵子
2
1甲南病院産婦人科
2甲南病院中央検査部(病理)
pp.103-105
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903908
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悪性ミュラー管混合腫瘍のなかで悪性間葉成分が子宮と同種性成分からなるものは癌肉腫に分類されている.今回,比較的まれな腫瘍である子宮癌肉腫症例を経験したので報告する.
患者は59歳の閉経後婦人であり,不正性器出血を主訴として来院した.外子宮口より脱出したポリープ状腫瘤を認めたが,腫瘤表面の細胞診はクラスⅡであった.MRIにて変性した粘膜下筋腫が疑われた.腫瘍マーカーでは血清CA125が51.7U/mlと軽度上昇していた.筋腫分娩の診断で単純子宮全摘出術と右卵巣摘出術を施行したが,術後の組織所見にてポリープ状腫瘤に平滑筋肉腫を,子宮内膜に腺癌を認めたことから子宮癌肉腫と診断された.術後化学治療は行っていないが現在再発の徴候はない.
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