連載 忘れられない症例から学ぶ超音波検査・10
子宮平滑筋肉腫
木下 博之
1
1紀南病院中央臨床検査部
pp.484-491
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206458
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はじめに
子宮に生じる病変の多くは良性平滑筋腫瘍である子宮筋腫であり,女性の20〜30%にみられます1).それに対し子宮肉腫は,子宮体部悪性腫瘍の約2〜5%とまれな腫瘍で2),組織型は主に癌肉腫,平滑筋肉腫,内膜間質肉腫の3群に分類されます.子宮に限局した早期のものでも5年生存率50%と予後が悪く3),早期発見,早期治療が重要な疾患です.しかし,確立した術前診断法はなく,超音波検査でも変性筋腫との鑑別に苦慮することが多い疾患です.今回,直腸癌手術後に外科外来で経過観察中に発見され,過去の検査所見を経時的に比較することが診断に有用であった子宮平滑筋肉腫の症例を経験したので提示したいと思います.
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