症例
Wunderlich症候群(子宮の重複奇形に片側の傍頸部嚢腫と同側の腎無形成を合併した症例)の4例
堀越 裕史
1
,
野坂 啓介
1
,
木口 一成
1
,
佐賀 正彦
1
,
藤脇 伸一郎
2
,
斉藤 寿一郎
3
,
栗林 靖
3
,
石塚 文平
3
,
雨宮 章
3
,
近藤 俊彦
4
,
大野 祐子
5
1聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院産婦人科
3聖マリアンナ医科大学病院産婦人科
4近藤産婦人科
5大野医院
pp.1551-1556
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903879
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子宮奇形,とくに非対称性子宮奇形に泌尿器系の先天異常が合併することはよく知られているが,われわれは子宮の重複奇形の一側が盲端となり,留血腫を形成し,さらに同側の腎無形成を合併したきわめて稀な4例のWunderlich症候群を経験したので報告する.
症例は27歳,月経痛・膿性帯下・発熱の精査のため当院へ紹介された.超音波断層法・HSG・MR検査にて,子宮の重複奇形の一側の留血腫を疑った.また,DIP検査では同側の腎無形成が確認された.腹腔鏡・子宮鏡を施行し,完全双角子宮(双頸双角子宮)に一側の腟閉鎖による傍頸部嚢腫(血腫)を伴っていたため,嚢腫部を開窓し,嚢腫壁の組織学的検査により,Wunderlich症候群と診断した.
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