症例
術前診断しえたWunderlich症候群の1例
山下 萌
1
,
望月 愼介
1
,
堀 聖奈
1
,
荻野 恭子
1
,
浜名 伸也
1
1明石医療センター産婦人科
pp.347-350
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208643
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▶要約
Wunderlich症候群は,重複子宮,盲端に終わる患側子宮と傍頸部囊胞,ならびに患側の腎無形成を伴う稀な疾患である.症例は24歳(G0P0).月経痛と腹部膨満感を主訴に前医を受診した.下腹部に10cm大の腫瘤を認め,卵巣囊腫と診断され,紹介となった.腟鏡診では右腟壁が著明に膨隆し,子宮腟部は確認できなかった.MRIで重複子宮と判明し,さらに傍子宮頸部に単房性腫瘤を認めた.また尿路造影検査で右腎,尿管は描出されずWunderlich症候群と診断した.経腟的に囊胞壁の開窓術,ドレナージを施行した.その後,症状は消失し,経過も良好である.Wunderlich症候群を含む閉塞性子宮奇形は若年期に発見されることが多いが,未治療のまま経過すると,不妊に至る可能性があるため,早期に診断と治療を行うことが重要である.
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