今月の臨床 増えてきた子宮体癌
治療
2.化学療法
土岐 尚之
1
,
柏村 正道
1
1産業医科大学産婦人科
pp.1178-1181
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903769
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子宮体癌の約90%は臨床進行期I〜II期であるため,治療法の第一選択は手術療法となっている.一方,子宮体癌の予後因子が明らかになってきており1-3),この予後因子を考慮した術後分類が1988年FIGOより提唱されたが4),日本産科婦人科学会においても1995年の症例から採用されることになった.手術進行期によるhigh risk症例に対する術後補助療法として従来,放射線療法が行われてきたが,照射野外の遠隔転移として再発する例も多数みられることが指摘されていることや5,6),腺癌に対する感受性が扁平上皮癌ほど高くないことなど,術後補助療法としての放射線療法の有効性については疑問が残る.したがって,術後補助化学療法が次第に取り入れられつつあるが,確立したregimenは存在しないのが現状である.また術後療法について,化学療法と放射線療法を比較したものがrandomized studyとして解析された報告はみられないのが現状である.
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