今月の臨床 増えてきた子宮体癌
治療
1.手術療法—基本術式と工夫
工藤 隆一
1
,
寒河江 悟
1
,
遠藤 俊明
1
,
伊東 英樹
1
1札幌医科大学産婦人科
pp.1172-1177
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903768
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子宮体癌の治療は手術療法が主であって,化学療法並びに放射線療法は現在でも補助療法にとどまっているといっても過言でない.しかし主たる治療法であっても患者の術後のquality of lifeを考慮すると,過剰の術式を選択すべきでなく,癌の進行期,腫瘍の悪性度,患者の手術術式への適応などを考慮して個別的な治療法を選択する必要がある.とくにわが国の手術術式は欧米と比較して拡大した術式が選択されている傾向にある.
そこで本稿では,体癌の進行期,組織型,病理組織学的特徴などによってどのような術式がわが国では選択されているかについて紹介するとともに,欧米で実施されている治療法についても紹介したい.そして患者のquality of lifeならびに医療費のコストなどを考慮して,これから実施される可能性がある手術術式について筆者らの考えを述べたい.
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