グラフ 胎児奇形の映像診断
Unilateral multicystic kidneyの出生前診断
堀 栄一
1
,
土岐 尚之
1
,
原 賢治
1
,
下川 浩
1
,
小柳 孝司
1
,
中野 仁雄
1
Eiichi Hori
1
1九州大学医学部婦人科学産科学教室
pp.874-875
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207087
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偏側性多嚢腎(Unilateral multicystic kidney)は稀な疾患であり,本邦では岸川らが1978年までに報告された本症症例をまとめたところ,僅か67例を認めるにすぎないと述べている1)。また本症に対しては,従来より種種の診断名が用いられてきたが,近年においては,偏側性で腎は実質を欠き,種々の大きさの嚢胞の集塊で置換され,さらにしばしば尿管の欠如または閉鎖を随伴している場合に本症との診断名が付されるようになってきている2,3)。
一方,本症の病因に関しては,胎生早期における後腎の形成が広汎に障害されたgeneral dysplasiaと考えられている。なお,本症の予後は対側の腎機能に左右される。ここでは,超音波断層法によって出生前に診断できた本症の1例を報告する。
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