今月の臨床 卵巣がんと闘うために
治療
2.外科療法 3)セカンドルック手術(SLO)
寒河江 悟
1
1札幌医科大学産婦人科
pp.818-820
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903687
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セカンドルック手術(以下,SLO)は,Smithら1)によりその有用性が報告されて以来,卵巣癌治療の一環として広く行われてきた.『卵巣腫瘍取扱い規約』2)によると,SLOは「初回手術完全摘出症例の補助化学療法の打ち切りの判定を目的とした,臨床的に自・他覚症状のまったくないものに対する再開腹手術である」と狭義に定義されている.一方,薬師寺と西村3)はSLOの目的として,再発の有無の検索,もしくは治癒の確認と広義に定義しており,欧米でのsecond look laparotomyも同じように用いられている.
SLOについては,明らかに導入化学療法の効果を判定する最も正確な検査手段である.したがって,この手術により顕微鏡的にしか腫瘍が陽性でなかった症例やSLO陰性で追加の化学療法による地固め療法を受けることになった症例などではとくに有用である.また別の観点から,SLOの有用性は臨床試験で用いる導入化学療法の結果を評価する場合に明らかである.
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