今月の臨床 婦人科外来
内分泌疾患・不妊症患者の診療
10.OHSSの対策
坂田 正博
1
1大阪大学医学部産婦人科
pp.542-544
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903621
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自然排卵は,単一排卵になることが多く,妊娠後のルテイン嚢胞を除いて,自然排卵による卵巣腫大をきたすことはまれである.卵巣過剰刺激症候群(以下,OHSS)は,治療目的の排卵誘発剤による卵巣の過剰刺激,すなわち過排卵によって起こる症候群であり,医原性疾患である.OHSSの発症は,クロミッド療法周期では約3%以下にしか認めず,ゴナドトロピン療法周期の数%〜20数%に認められ,約1%は重症化する.体外受精を含めて不妊治療でゴナドトロピン療法を行う機会も多く,OHSSの発生率が増加し,重症例もまれでなく,血栓症による死亡例も報告されている.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.