今月の臨床 新生児トラブルの初期対応—産科医へのアドバイス
顔貌・体型の異常と外表奇形
2.腹部膨満・陥没
千葉 力
1
1青森市民病院小児科NICU
pp.300-301
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903570
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最初の適応期間の後には,正常な新生児の腹部は軟らかで,膨満していないはずである.嘔吐,膨満,唾液分泌過剰,哺乳不良などの症状1)は胃腸疾患の客観的な徴候である.通常これらの所見は看護婦によって最初に気づかれる.鑑別診断はまず病歴を振り返ることから始める.身体所見はまず視診,次に聴診をして,腸雑音が存在するかどうかを確認する.その後に腹部の各4分の1区分ずつ触診し,手に触感される腫脹を調べる.もし腹部の触診に対し異常に痛覚があれば新生児は啼泣したり、警戒したりする.直腸を視診して鎖肛や同時に合併する直腸・会陰瘻孔を除外する.
本稿では,腹部膨満・陥没について,鑑別診断と初期対応としての検査・処置について述べる.
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