目でみる耳鼻咽喉科
鼻翼再建—Nasolabial flap
田原 真也
1
,
天津 睦郎
2
1神戸大学医学部耳鼻咽喉科・形成外科診療班
2神戸大学医学部耳鼻咽喉科
pp.510-511
発行日 1991年7月20日
Published Date 1991/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900305
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日常の診療で,外鼻の部分欠損や変形に遭遇することは決して稀ではない。顔面の中央に位置する外鼻の再建,修正はおのずと整容面が目的となる。このため必要な組織移植はcolor match,texture matchを考慮してできるだけ近傍からの局所皮弁が望ましい。この点,鼻唇溝部からのNasolabial flap1,2)は特に鼻翼の部分欠損修復に適している。手術手技3)の実際を症例で供覧する。
鼻翼部分欠損の修復法としては,耳介から皮膚と軟骨からなる複合移植(comositegraft)を行う方法もよく知られているが,Nasolabial flapはこの耳介移植に比べても,組織の萎縮が少なく,より優れていると思われる。また皮弁採取部も鼻唇溝に一致するため目立ちにくいという利点を有する。鼻翼再建には第一選択になりうると考えている。
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