今月の臨床 GnRH療法の新展開
GnRHパルス治療—適応基準と問題点
3.FSH-GnRHパルス療法
青野 敏博
1
,
苛原 稔
1
,
松崎 利也
1
,
桑原 章
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.166-168
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903533
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排卵障害による不妊症に対して,各種の排卵誘発剤が用いられる.クロミフェンが無効の第1度無月経や中枢性第2度無月経に対しては,閉経後婦人尿性ゴナドトロピン(hMG)や卵胞刺激ホルモン(FSH)が用いられる.これらのゴナドトロピン製剤によって排卵を誘発した際には17.2%とほぼ6人に1人が多胎妊娠で,そのうち3胎以上の多胎は17.1%を占めていた1).
ゴナドトロピンの投与スケジュールを工夫し,超音波断層法による卵胞発育のモニターを利用しても,これまで多胎妊娠を有効に抑制する方法は見いだされていない2).われわれはFSHとゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)のパルス状投与を組み合わせることによって,単一卵胞発育による排卵誘発法を創案し,多胎妊娠の予防に有効なことを明らかにし得たので,その概要を述べる.
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