今月の臨床 多胎—いま何が問題か
予防
3.ゴナドトロピン療法で多胎は予防できるか?—FSH-GnRHパルス療法
苛原 稔
1
,
桑原 章
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産婦人科
pp.1450-1451
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901976
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日本におけるゴナドトロピン療法の多胎率は,約20%と報告されている1).また多胎児数では双胎が約70%,3胎以上が30%前後である.このようにゴナドトロピン療法はきわめて有効性が高いものの,産科的に非常に問題の多い3胎以上の妊娠も多く,ゴナドトロピン療法での多胎の防止は早急に解決しなければならない問題と言える.
ゴナドトロピン療法における多発排卵の防止については多くの検討がなされてきた.例えば,モニタリングをより厳格に行う方法や,hMGやFSHの漸減投与2)や律動投与3)など投与方法を工夫する方法である.しかしいずれも確実な方法とはいえないのが現状である.一方,内因性のゴナドトロピンを利用するGnRHの律動投与法4)は,多発排卵の防止には有用であるが,治療期間が長くミニポンプの装着による患者の負担が大きい問題点がある.
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