今月の臨床 GnRH療法の新展開
GnRHの基礎
3.GnRHアゴニスト—種類・特徴・使い分け
植村 次雄
1
,
大庭 信彰
1
1横浜市立大学医学部産婦人科
pp.148-151
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903529
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
GnRHは10個のアミノ酸からなる視床下部ホルモンであり,下垂体前葉のゴナドトロピン分泌細胞に働き,LH,FSHを分泌させる.GnRHは1,2位のアミノ酸によりGnRHレセプターと結合する.このホルモン—レセプター複合体はペプチダーゼにより分解されるが,結合部位より離れた6位のアミノ酸,グリシンを置換して分解酵素の作用を受けにくくし,安定化したものがGnRHアゴニストである.この位置のアミノ酸を他のL型アミノ酸に置換しても活性値は上昇しないが,D型アミノ酸に置換すると活性値が上昇する.さらに10位のアミノ酸であるグリシンアミドをアザグリシンやエチルアミドに置換するなどの誘導体化を行うと受容体との結合能力が上昇する.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.