原著
重症月経困難症に対する下腸間膜動脈神経叢ブロックによる治療法の考案
野田 雅也
1
,
伊東 英樹
1
,
工藤 隆一
1
,
芥川 典之
2
,
山川 康
2
,
水沼 正弘
2
,
佐野 敬夫
2
1札幌医科大学産婦人科
2北見赤十字病院
pp.1321-1325
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903439
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月経困難症は,産婦人科医としてしばしば遭遇する病態である.症例によっては,症状が非常に強いためさまざまな鎮痛療法が試みられるが,疼痛の軽減が認められず,手術療法が選択されることも多々みられる.しかし今回,われわれは非侵襲的で,かつ1泊の入院でCotteの手術と同様な効果が得られる方法として,下腸間膜動脈神経叢ブロックの応用を行った.
以前より本神経ブロック法は,骨盤内悪性腫瘍の癌性疼痛に対し行われており,X線透視下に施行することにより安全に行うことができるといわれている.今回われわれは,さらに合併症の回避のため片側のみに,癌に使用する量の約半量で,非常に有効な鎮痛を長期にわたって得ることができた.
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