今月の臨床 サイトカインと産婦人科
婦人科腫瘍とサイトカイン
1.癌の増殖とサイトカイン
加藤 聖子
1
,
和気 徳夫
1
1九州大学生体防御医学研究所生殖生理内分泌部門
pp.1078-1081
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903375
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サイトカインは,免疫担当細胞をはじめ上皮系細胞,線維芽細胞,神経系細胞など種々の細胞から産生される生理活性物質の総称である.その生理活性は多彩であるが,主として①免疫の調節,②炎症反応の惹起,③ウイルス感染細胞や腫瘍細胞の傷害,④細胞の増殖や分化誘導といった作用を示す.さらに,1つのサイトカインが産生されることにより次のサイトカインの産生が誘導されるサイトカインネットワークと呼ばれる現象が存在する.
サイトカインの定義は研究分野においても異なっているが,最近では物質の性状に基づいて分類されている1)(表1).免疫研究者はサイトカインをリンフォカインに限り,細胞生物学研究者は増殖因子もサイトカインのなかに入れていることが多い.
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