臨床外科トピックス 消化器外科領域におけるサイトカインとその周辺・7
癌悪液質とサイトカイン
川上 正舒
1
,
早田 邦康
2
1自治医科大学附属大宮医療センター総合医学1
2自治医科大学附属大宮医療センター総合医学2
pp.1337-1343
発行日 1994年10月20日
Published Date 1994/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901658
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はじめに
悪性腫瘍,慢性感染症,慢性心不全,慢性呼吸器不全などでは,しばしば著しいるい痩をともなう極度の消耗状態を示し,悪液質と呼ばれている.悪液質は一見して明らかに重篤な状態であり,癌患者においては生存期間を有意に短縮させるといわれているにもかかわらず,その病態の基となる代謝異常の生化学的な機序については不明な点も多く,したがって,治療についても今日の医療をもっても容易ではない1-3).最近,悪液質の成因におけるサイトカインの役割が明らかになりつつあり,このサイトカインの産生や作用を抑制するような治療が有効ではないかと考えられるようになってきた4,5).
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