今月の臨床 サイトカインと産婦人科
性機能とサイトカイン
5.黄体形成とサイトカイン
藤川 智行
1,2,3
,
早川 智
1
,
福岡 秀興
2
,
佐藤 和雄
1
1日本大学医学部産婦人科
2東京大学医学部発達医科学
3大阪大学先端科学技術共同研究センター
pp.1036-1040
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903364
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黄体は性周期で排卵後の卵胞から形成され,黄体形成,黄体退縮,妊娠黄体への移行という分化や成熟にともないプロゲステロンなどの産出と分泌を主に担っている.このような変化は下垂体から分泌されるゴナドトロピン(FSH,LH)に主に調節されると考えられている,また,黄体は妊娠成立時には胎児絨毛組織から分泌されるhCGなどで調節される.
諸家により,卵巣局所における白血球から分泌されるサイトカインなどの免疫因子が卵巣機能の調節に関与することが報告されている.とくに黄体での分化では,それらが重要な役割を果たしていると考えられている,本稿では,黄体の分化の過程の一つである黄体形成とサイトカインに関して本教室の成果も交え述べてみたい1-3).
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