今月の臨床 卵管性不妊症への対応
診断
2.超音波カラードプラ下通水法の信頼性
石塚 文平
1
,
藤脇 伸一郎
1
,
村井 邦彦
1
,
堀越 裕史
1
,
雨宮 章
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科
pp.806-810
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903307
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超音波診断法の分解能の向上,経腟プローブの開発に伴い,不妊診療における卵管疎通性の評価への超音波下卵管疎通性検査の応用が試みられてきた1-4).
超音波卵管疎通性検査は当初,経腹超音波を用い生理食塩水1-2)を注入する方法がとられていたが,その解像力はけっして優れたものではなかった.その後,経腟超音波の開発とともに,腹腔鏡下通色素法を標準としてaccuracy 95%とall ornoneで疎通性の有無を検討するうえでは比較的よい成績が得られた3).しかし,卵管の走行や卵管内を通過する注入液の像を捉えることは通常困難であった.超音波検査用造影剤の開発は試みられているものの,その安全性の問題からいまだに臨床応用はなされていない.X線被曝やヨード造影剤を使用する必要のない超音波卵管疎通性検査は診断的価値,治療的意義がhysterosalpingogra—phy(HSG)と同等にはなり得ないとしても,その改良,発展が期待される検査法である.
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