今月の臨床 不妊の原因を探る
卵管因子
20.色素・大量通水法
関 守利
1
,
竹内 巧
1
,
小原 満雄
1
,
栗原 務
1
,
伊吹 令人
1
Moritoshi Seki
1
1群馬大学周産母子センター
pp.1204-1207
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901480
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ほとんどの施設において,不妊症の原因として卵管因子の占める頻度が最も多く,25〜50%の報告がある。当科においても不妊原因の38.5%を占めている。さらに近年の性行為感染症(STD),骨盤内感染症(PID)などの増加に伴い,卵管因子の頻度も年々増加傾向にある。卵管通過性の検査として,従来より通気法,通水法,子宮卵管造影法(HSG),超音波断層法と通水法を組み合わせた超音波通水法,腹腔鏡下の通色素検査などが行われてきた。
一般に,通気法とHSGが第一選択として用いられているが,通気法は気体であるCO2ガスを用いるため最高圧が200mmHgと比較的低圧である点,また一方,HSGでは両側卵管間質部のspasmや卵管穿孔が避けられないことより,両検査法ともfalse negative,false positiveが多いことが,問題点としてあげられている。
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