症例
低悪性度子宮内膜間質肉腫5例の臨床的検討
寺澤 晃司
1
,
森根 幹生
1
,
小林 津月
1
,
湯浅 敏正
1
,
岡山 哲也
1
,
森下 一
1
,
沼本 敏
2
1高知市立市民病院産婦人科
2高知市立市民病院病理診断科
pp.765-769
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903298
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当科において過去20年間に低悪性度子宮内膜間質肉腫と診断された5例を臨床的に検討した.初発年齢は32歳から46歳,平均38歳で,いずれも閉経前の経妊婦人であった.主訴は不正性器出血と過多月経で,全例が子宮筋腫あるいは子宮腺筋症として単純子宮全摘出術を受けていた.発生部位は5例とも子宮体部で,ポリープ状あるいは粘膜下筋腫様に発育していた.割面はいわゆる虫状で淡黄色調を呈する傾向がみられた.1例で組織学的に子宮傍組織進展と卵巣転移が認められた.術後6か月から19年の経過観察中,2例が再発した.1例は8年後に骨盤・腟再発,10年後に左肺転移,16年後に再度骨盤内に再発し腫瘍摘出が行われた.他の1例では4年後に骨盤再発と肺転移をきたしたが,黄体ホルモンの大量療法と白金製剤の投与が奏効した.再発例では両側付属器摘除術が施行されていなかった.今のところ5例全例が生存している.
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