症例
診断に苦慮したCushing症候群合併妊娠の1例
利部 正裕
1
,
三浦 史晴
2
,
鈴木 浩基
2
,
葛西 真由美
2
,
鈴木 博
2
1岩手医科大学産婦人科
2岩手県立中央病院産婦人科
pp.770-773
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903299
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症例は29歳初産婦で,既往歴に特記事項はなく,月経歴に異常は認めない.妊娠26週ころより下肢の浮腫が出現し,妊娠30週に皮下出血,蛋白尿,低カリウム血症も認めたため妊娠中毒症の診断にて入院した.入院後も症状は軽快せず下肢の筋力低下が著明となった.内分泌検査よりCushing症候群合併妊娠が疑われた.妊娠34週0日陣痛発来し,自然分娩となった(2,191g,男児).産褥2日目,腹部CTで右副腎に腫瘍像を認めたため,右副腎腫瘍によるCusing症候群の診断のもとに,右副腎摘出術を施行した.摘出腫瘍の病理組織診断は副腎腺腫であった.
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