今月の臨床 早産対策—いま臨床医ができること
外来での対策—私はこうしている
4.前期破水疑診例の取り扱い・1
渡辺 博
1
,
石川 和明
1
,
稲葉 憲之
1
1獨協医科大学産科婦人科
pp.694-695
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903273
- 有料閲覧
- 文献概要
早産の時期に破水感や水様帯下を主訴に外来を受診した妊婦に対して,最初に実施すべきことは問診である.破水感のあった時期,流出量,流出状況,色調,出血・子宮収縮の有無,排尿との関連について詳細に聞くだけで,ほとんどの場合破水かどうかの診断が可能である.ついで内診台で羊水の流出を確認する.外陰部に及ぶ水様帯下や腟内にプーリングが認められて,子宮口から羊水の流出がみられれば破水の診断は容易である.その場合でも表1に示す破水と鑑別すべき事象を念頭におきながら,pH試験紙(BTB試験紙)を用いて流出液がアルカリ性であることを確認している.羊水流出の確認ができない場合,あるいはBTB試験紙がアルカリ性を示しても破水と断定しがたいときには,癌胎児性フィブロネクチン測定試薬(ロムチェック®)の結果で判定している.いずれの検査でも破水であるとの診断には至らないものの,その可能性を否定することもできない場合の対応が,本稿の主題となる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.