今月の臨床 産科と凝固異常
産科診療と凝固異常
9.常位胎盤早期剥離
椋棒 正昌
1
,
柴田 和男
1
1淀川キリスト教病院産婦人科
pp.318-320
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903206
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常位胎盤早期剥離(以下,早剥と略す)はまれな疾患であるが,発症すれば急速に母児ともに危険な状態へと追い込まれるため,分娩を取り扱う者にとって,その病態を熟知しておくべき重要な産科合併症である.
早剥は,従来,妊娠中毒症との関係が重要視されていたが,最近では,早産や子宮内胎児発育遅延(intrauterine growth retardation:IUGR)との関係や,妊娠そのものの合目的的な血液凝固亢進状態になんらかの負荷がかかることによって発症するものと考えられている4).本稿では,早剥と血液凝固について最近の知見を概説する.
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