今月の臨床 産科と凝固異常
産科診療と凝固異常
10.産科DIC
佐藤 重美
1
,
齋藤 良治
1
1弘前大学医学部産婦人科
pp.322-324
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903207
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DICとは,血管内において凝固制御機構が破綻し,異常凝固亢進状態となり末梢微小血管内に微小血栓が多発形成される状態を言う.この結果,消費性の凝固障害と著しい二次線溶亢進が起こり著明な出血傾向を生じる.さらに血栓を生じた臓器では,循環不全による機能障害,組織壊死が起こる.妊娠そのものがDIC準備状態ともいえる1)ためか,産科領域でのDICの発生頻度は他科領域に比べると高い.本稿では産科DICの特徴と,これを生じやすい基礎疾患およびその診断について述べる.
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