今月の臨床 産科と凝固異常
凝固異常理解のための新知見
4.子宮胎盤循環と凝固線溶系
中林 正雄
1
,
中谷 明子
2
,
武田 佳彦
2
1東京女子医科大学母子総合医療センター
2東京女子医科大学産婦人科
pp.280-282
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903197
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子宮胎盤循環は,胎児発育,胎児のwell-beingに大きく影響を及ぼす重要な循環系である.子宮胎盤循環障害は,しばしば重症妊娠中毒症に合併し,intrauterine growth retardation(IUGR)や胎児仮死を引き起こす.胎盤にフィブリン沈着や梗塞がみられる場合にIUGR合併はきわめて高率であり1),子宮胎盤循環障害の病態に凝固亢進が深く関与することは明らかである.本稿では凝固線溶系からみた子宮胎盤循環について述べる.
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