連載 OBSTETRIC NEWS
羊水穿刺施行例数を減少させられるか?—妊娠中期超音波による21トリソミー診断
武久 徹
pp.90-91
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903152
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産科超音波による染色体異常診断は,膨大な数の研究が紹介され,それらの幾つかを組み合わせることによって,特定の染色体異常は,かなり正確に診断できるようになってきた.Vintzileosらは,21トリソミーのハイリスク妊婦(35歳以上の高齢妊婦1,483例:71%,血清生化学検査異常+<35歳501例:24%,家族歴に染色体異常あり105例:5%)2,089例を対象に染色体異常の有無を診断した.対象妊婦の平均年齢は,35.4±4.3歳(15〜47歳)であった.1,426例(68%)は,第一選択に羊水穿刺(医師が第一選択に羊水穿刺を提案),663例(32%)は,超音波による染色体異常検査(妊娠19.4±1.5週)を選択した.超音波による染色体異常の有無は,21トリソミー検索のための10の超音波診断マーカー(表1)(OG 87:948,1996)をチェックした.その結果,超音波による21トリソミー診断施行後の羊水穿刺施行数は12.2%(1994年)から,4.0%(1996年)に減少(67%減少,相対危険度0.33,95%信頼区間0.14〜0.77)した.また,総羊水穿刺数は,99.6%(1993年)から,47.0%(1996年)に減少(53%減少,相対危険度0.47,95%信頼区間0.39〜0.57)した(表2).
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