今月の臨床 先天異常をどう診るか
病児への対応をめぐって
2.病児出産の看護と問題
小山 道子
1
1神奈川県立こども医療センター母性病棟
pp.82-84
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903149
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周産期における障害児発生原因は,早産未熟児,母体合併症,分娩周辺期,先天奇形などがある.いずれの原因でも病児が生まれてくるが,周産期管理の目的は,こどもが持っている能力をできるだけ温存し,伸ばすことにある.先天異常においても奇形などによる機能制限は不可避であるにしても,その子どもの能力を最大限伸ばすように努めている.医療従事者からみると,胎児期・新生児期・小児期とそれぞれの時期において,お世話をする科はつぎっぎと変わっていく.しかし,治療を受ける患者さんは同一人である.先天奇形や病児の治療は,ひとつの科で完結することはできず,それぞれの科でその時期に応じた治療をしていく.この意味において,産科・新生児科・脳外科・神経科など,単独で治療するのではなく,先を見越した治療・看護でなくてはならない.本稿では,わたしどもの周産期医療部で胎児から小児期への保育についてどのように対処しているか,どこに改善すべき点があるか考察してみたい.
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